男性も女性も、両方の性のホルモンを分泌していることになります。
性の違いは量の差だけであり、意外に微妙なところで決定されるのです。
通常、性の違いは染色体の違いで示されます。
男性の染色体はXY、女性はXXの組み合わせであることは、よく知られているでしょう。
しかし、この違いは性の決定の第一段階にすぎず、これだけで性が決定されるわけではありません。
性ホルモンは、染色体よりも重要な役割を果たしています。
受精し、細胞分裂を始めて第8週目あたりまでは、すべて男件腺の原型であるウルフ管と、女腺の原型であるミューラー管の両方をもっています。
ところが、そのまま放っておくとウルフ管は衰え、ミューラー管が発達して子宮などが形成されていくのです。
すべて女性に向かって進むといっても、よいでしょう。
性ホルモンであるテストステロンをシャワーのように放出します。
それによってウルフ管からなどがつくられ、週目に外性器ができて、精巣(畢丸)が陰嚢に収まります。
性の決定にもっとも重要な役割を果たしているのは男性ホルモンのシャワーであり、それは意外に遅い段階なのです。
このように、性はきわめて微妙な違いによって決定されています。
だから、化学物質によって性ホルモンが撹乱されると、生殖機能に悪い影響が起きるわけです。
とくに、胎児期は影響を受けやすい時期です。
現実に、精巣が陰嚢にうまく収まらない。
その後、医薬品、農薬、食品添加物、合成樹脂、合成ゴム、合成染帆獄合成洗剤など、性や免疫を撹乱する環境ホルモン(内分泌 撹乱物質)の大半は、有機合成化合物です。
有機物とは炭素を含んだ化合物のことで、生命をもつものしかつくることができないと考えられてきました。
しかし、1828年に試みられていた、無機物からの人為的な合成に、初めて成功しました。
それが別世紀私たちの生活を激変させるとは、Vを含めて四世紀の人びとには想像もつかなかったでしょう。
さまざまな人工有機化合物がつくられてきました。
その種類はのべ数百万にも達し、現在も大量に製造され続けています。
今日つくられているものだけでも、数十万種類に達しているほどです。
環境ホルモンとみなされている化学物質は、環境庁の調査では種類です。
しかし、その代謝物やダイオキシン含有物質、関連化学物質を入れれば数百はあると考えられます。
とはいえ、膨大な数の化学物質を一つ一つ実験して確認するわけにもいかないため、はたして全部でいくつ存在するか、見当もつきません。
現在までわかっている代表的な物質は、次のとおりです。
が死んだのは1882年。
研究者たちの手によって、競って新しい有機合成化合物が開発されていた時期です。
年にはDDT、年にはPCBが誕生しています。
しかし、当時は一部を除いて製品として出回るまでにはいたりません。
実際に商業生産されるには、それから数十年の歳月を必要とします。
当初、有機合成化合物の原料は、石炭から乾留して取り出すコールタールでした。
でも、コールタールだけではまだ役者不足、もう1人の主役は塩素です。
第一次世界大戦まで、有害な塩素は厄介者でした。
食塩水を電気分解してつくるカセイソーダ(水酸化ナトリウム)は石けんやガラスなどの原料に重要ですが、製造の際、塩素が大量に生じてしまい、その処置に困っていたからです。
ところが、第一次世界大戦が兵器でした。
戦争目的で塩素が増産され、カセイソーダがあまるほどになります。
戦争の終了後に巨大な装置がつくり出す塩素の新たな先としてターゲットになったのが、化学産業でした。
こうして、次々と有機塩素化合物を利用した商品が大量生産されるようになります。
PCBやDDTに加えて、燃やすとダイオキシンが発生する塩化ビニル、麻酔に利用されてきたが、発ガン性のあるクロロホルム、オゾン層を破壊し、温暖化を加速するフレオン(フロンガス)、ダイオキシンを含有している殺菌剤のヘキサクロロフェン、残性の高い農薬BHCやPCPなどが次々と開発・製造されました。
今日、問題になっている化学物質が次々と登場し、環境中にばらまかれていったのです。
1950年代後半から、石炭に代わって有機化合物の原料の主役になったのが石油です。
石油は安く、液体であるため扱いやすく、経済が発展期に当たっていたこともあって、従来とはケタ違いの量の生産を可能にしました。
こうして塩化ビニルなどのプラスチックを中心に、合成洗剤や肌ゴムなど有機合成化合物の大量生産・大量消費の時代が到来します。
私たちは毎日、大気や水、食べ物をとおして、それぞれは微量でも全体ではかなりの量の化学物質を摂取しています。
ところが、毒性やごみになったときの処理方法など、マイナス面に関してはほとんど考慮されていません。
仮に毒になったときも、一つ一つの物質に関してのみで、何十、何百もの化学物質を一度に摂取したときの毒性に関しては、対象外でした。
しかし、化毒質による内分震乱という新しい問題に対処を迫られたいま、「知らないよ」ではすまされない事態が訪れています.処理方法や毒性をしてきたツケが、私たち人間を含めて生物に異変をもたらしているからです。
海水中で誕生した生物にとって塩は不可欠だし、炭素と塩素が結びつく機会はいくらでもあったと考えられます。
ところが、なぜか自然界にはほとんど存在しません。
また、有機合成化合物には、ダイオキシンやPCBなど亀の甲の形をしたベンゼン核の構造をもつ物質が多くあります。
ところが、生物がもつベンゼン核の種類は少なく、とくに人間はベンゼン核をもつ物質を生体内でつくることも分解することも、ほとんどありません。
自分の体に必要な物質を外から摂取する場合でも、などから必須アミノ酸やビタミンなどの形で取っています。
そのため、いったん取り込んだベンゼン核をもつ物質を排出できないケースが多く、残留してしまうのです。
このように、有機化合物を人体が受け入れやすいこと、もともと自然界に存在しない物質であること、全解しにくいためとどまり続けることの三つが、有害性をもたらす基本的な要因といえます。
なかでも、有害性が高いのは有機塩素系化合物で、ダイオキシン、PCB、DDTなど数えていけばきりがありません。
その理由は、自然界にほとんど存在しないため、生物は対応や排出の仕方がわからないからです。
合成化高は農董やPCB汚染など、さまざまな問題を起こしてきました。
その原因は、人間の体内に入りやすい点にあります。
有機化合物のほとんどは融点と沸点が低く、脂溶性です.それに対して、人体をする基本単位である細胞中の核酸やタンパク質は水溶性で、細胞膜という脂質の薄い膜に囲まれて、守られています。
しかし、この細胞膜は、水溶性の物質は通しにくいものの、脂溶性の物質は簡単に通してしまいます。
そのため、有機合成化合易が体内に入りやすいのです。
いうまでもなく、種の絶滅の可能性があるからです.生殖の異常にはオスのメス化や男性の女性化のように性が転換ないし変化する場合と、性のそのものを阻害する場合があります。
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